曖昧性 → 限定されない非決定性

ギーディオンが芸術との関係で近代建築をとらえようとしたのに対し

チャールズ・ジェンクスは
これからの空間形態として複雑系の科学に由来する
以下のような形態言語に注目

フラクタルと奇妙なアトラクター/非線形/ゆらぎとねじれ/折りと断絶線/
創発と位相変換/重ね合わせ/カオスの縁

曖昧性=非決定性の視点から
ランドスケープデザインにはどんな展開可能性がみえるか?

 

非予定調和なデザイン戦略

あらかじめ想定した機能を発揮するよう空間をデザインするという予定調和な手法に対して

形態や機能(あるいは出来事)を決めず
長期にわたって空間生成のプロセスに関わり続けるという
新たな手法がみられるようになった

ラ・ヴィレット公園設計競技の最終2案

ダウンズヴュー・パーク設計競技の最終案

オルタナティブ・シナリオによるランドスケープ計画
カール・スタイニッツ

 
 

複雑系科学と空間形態

雲・植物・波といった自然要素の複雑にみえる形は
自己相似形すなわちフラクタルであり
単純な形の繰り返しから複雑な形が生じるのだという

森本らによる日本庭園要素のフラクタル研究が示すように
複雑な形態を自然生成させる新たなデザイン手法が
今後生み出されるかもしれない

 

 

空間との関わりをとおして生成される曖昧な形

一人のデザイナーが40年間住み続け改変を続けた家
地域で250年間壊れては繕いの繰り返しで継承されてきた堰

いずれの空間も複雑で豊かである

このような空間の成果に我々はもっと学ぶべきではないか

ジェームズ・ローズの自邸 40年間のモルフォシス

歴史的頭首工の親水空間としての可能性

四国吉野川第十堰にみる曖昧な形と親水活動

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