体感と共感のWS
- 大田詩織さんは,公園の設計に市民の想いを最大限反映させるにはどうしたらよいか考えた。会議室における机上のワークショップでは難しいと。
そこで,既存の公園で参加者が思い思いに過ごす,あるいは好きな材料を使って公園模型を作る,という体感と共感とを大事にするプログラムを考案し,ワークショップで実践した。ワークショップ参加者が公園でみせた遊び,記入したアイディアシート,制作した小模型,敷地模型に置いた2次元や2.5次元の小物,現地での基本設計図レビュー,と手を替え品を替えてツールやプログラムを自ら考案し,関係者との調整をはかりながら,参加者の「こんな公園がほしい」という思いをくみ取ることに努め,親しみやすいダイアグラムの見事な一覧を成した。大田さんの描いたダイアグラムたちは,公園の基本設計図に参加者の思いを可能な限り反映させただけではなく,この公園が今後たどる過程(実施設計,施工,供用開始後の運営)で,当初の思いを確実に引継ぐ役割を担うだろう。
プロジェクトの様子は,市のホームページだけでなく,学生チームが運営するSNSサイトでも随時公開されている。SNSをとおしてワークショップの予告や結果を同時並行で発信し続け,さらに公園にまつわるユニークなコンテンツを加え,フォロワーを増やしている。
大田さんの試みは,Web3時代において体感と共感とを大事にする新たな市民参加の有り方を示すものである。
-
more information
大田詩織,村上修一(2023)公園計画における体感・共感型市民参加手法に関する研究:都市計画報告集21:422-427
作成:大田詩織