Laboratory of Landscape

Shuichi Murakami 村上修一研究室

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研究の進め方 how to research

テーマを探す
1年ないし2年間,ひとつのテーマで卒業論文,卒業設計,修士論文,修士設計をやりとげる。それだけで大きな成果です。気になる,なぜだろう,もっと知りたい,追究してやろう,と興味をおぼえるテーマを見つけることから,論文や設計が始まります。教員や専門家との会話,本屋・図書館・新聞・インターネットでの探索など,いろいろな情報源を探してみてください。

また,ランドスケープは,日常生活と密接に関わるテーマ。家や学校,部活,趣味,ボランティアなど,およそ研究と関わりないような日常生活を見直してみると,案外,いいテーマが見つかります。
既往研究を探る
どんな領域でもそうですが,先人達の成果や知恵に学び,先人達のやり残した課題を解決するのが私達です。このようにして,その領域は進歩していくのです。インターネットや本でも既往の研究が見つかることもありますが,研究の具体的な行動に入る前に,必ず,もっとシステマティックな既往研究の捜索と入手,分析を行いましょう。

既往研究の多くは,様々な学会の発行する学術雑誌や論文集に掲載されています。例えば,「こどもの遊び場」に関する研究を探すなら,建築学会,造園学会,都市計画学会の他に,教育学や心理学関係の学会の論文集が要チェックでしょう。

論文集に掲載されている研究論文は,各学会のホームページの他,「国立情報学研究所」の論文検索データベースCiNiiのサイトで検索すると,タイトル・著者名・掲載雑誌名および巻号頁などがわかります。判明した掲載雑誌が本学にない場合は,本学の図書館から,雑誌を持っている他大学の図書館に文献複写の手続きをすることで,その論文の複写を取り寄せることができます。
研究計画を作る
既往研究をよく読んでテーマが具体化したら,研究計画を書いてみよう。具体的には,以下のような構成で書きます。

1.背景と目的:まず,テーマの背景となる社会の動向に触れます。次に,既往研究で明らかにされたことを記述します。さらに,既往研究で未だ明らかにされていないことを指摘します。その上で,未解明の課題を本研究の目的とする旨を記述します。目的は,何を対象に,どこまで明らかにするのか,明確かつ具体的に書きましょう。最後に,目的を達成する意義について述べます。

2.研究の方法:まず,研究の対象を具体的に書きます。特定の地域を対象とする場合,名称だけでなく,位置,自然条件,社会条件,歴史などの概要も記述します。次に,調査の手法や調査の項目を具体的に書きます。さらに,調査で得たデータの分析手順を示し,どのような考察を行うのか記述します。

3.予想される結果:実際に調査分析を始める前に,どのようなことが明らかになるのか,結果を予想しておくことが重要です。

※最初から目的が具体化して研究計画を立てられるようになるとは限りません。予備的に観察や調査を行って,はじめて具体化できる場合もあります。特に,既往研究のあまりない,独自なテーマの場合は。生みの苦しみをいとわず,何度も質問・相談に来てください。
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